ダンボール箱ビジョンの作り方まとめ
【飛び出せ】ダンボール箱ビジョンを作ってみた【ミクさん】で作った「ダンボール箱ビジョン」の作り方のまとめです。
ダンボール箱ビジョンの特徴
・ワンコイン(500円以内)で作成できる
・材料が簡単に入手できる
・手持ちのどんな大きさの液晶にもぴったりのものが作成できる
・投影用映像は、一度作ればどんな液晶サイズでも流用できる
・複数の映像(背景・モデル・照明効果など)を多層同期再生するため立体感が増す
・その複数の映像を同期させる手間が不要
・明るい場所でも問題なし
■ダンボール箱ビジョン 本体編
(1)まずは、使用する液晶モニタの大きさを測って下さい。
測った液晶の縁を含めた長辺の長さをA, 短辺の長さをBとします。
(2)液晶モニタの大きさに合わせて、下記の材料を揃えます
用意するもの
- ダンボール箱(幅B × 奥行きA × 高さA/2 の大きさが確保出来る量)
- ポリ塩化ビニル板(いわゆるごく普通の硬質透明下敷きです。動画ではアクリル板と書きましたがポリ塩化ビニルPVCの方が映りが良いです。あまり薄いとたわんで画像がゆがむので適度な厚さのもの。⇒ 幅B × 高さ A×0.7 の大きさを2枚)
- 黒ボール紙(ダンボールの内側全体に貼ることが出来る量)
- 黒ガムテープ(適量)
(3)ダンボールを組み立てます
ダンボールの底面は(2)で書いたように液晶モニタの大きさと一緒です。
底面の大きさに黒ボール紙を切り、置いてみて、一旦展開したダンボール箱を組み立てなおします。
(4)ダンボールと内面に貼る黒ボール紙を合わせます。
ダンボール箱の内面の大きさ=黒ボール紙で組んだ大きさはどちらも(幅B × 奥行きA × 高さA/2 )となるようにして組み合わせます。
なお、「見る」側の前面は、ダンボール・黒ボール紙の面を作らず、開けておきます。
上面は、液晶を載せる面です。
(5)箱の上面は、↓このように液晶の縁の部分を残し、くり抜きます。
縁の部分の内面も黒ボール紙または黒ガムテープで黒くします。
(6)透明下敷(ポリ塩化ビニル製)を貼る
幅B × 高さ A×0.7 の大きさを2枚、斜め45度に貼ります。上の側面をセロテープで固定するだけでOKでしょう。
なお、アクリル板の高さが A×0.7 となる理由は、45度に取り付けるので、箱ビジョンの高さ(=長辺の1/2) に√2 を掛けた長さが必要となるからです。
(7)これで完成です。
設計図が無くても大丈夫ですよね。
下写真の完成品は、見る側の底面が伸びて飛び出していますが、この部分は無くても良いです。
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■ダンボール箱ビジョン 映像編
映像は、「前景=モデルの動画」と「背景動画」の2つを作ります。
まずはMMDを使いますのでインストールされていない方はまずこちらをご参照ください。
VPVP wiki - MMDのはじめかた
また、Ut Videoコーデックもインストールしておきます。
(1)モデルのダンス動画
- モデルの動画は、MMDを使い、好きなモデル、好きなモーションで背景(B)⇒背景黒化(D)、表示(V)⇒座標軸表示(G)を無しにして動画をAVI出力設定で書き出します。
このとき、ビデオ圧縮コーデックを「UtVideo RGBA DMO」にするとアルファチャンネルが付加されますので、後で影を作るときに便利です。
なお、MMDのモデルは、黒ニーソなどの黒い部分が「透ける」ので、その点を注意しましょう。
(2)背景動画
- 動画編集ソフト(AviUtl など)で2つのレイヤーに背景PVの動画と(1)の動画を読み込みます。(1)でアルファチャンネルが付加されていますので、背景PVに重ねることによって背景に影が投影された動画となります。
好きなステージ、または動画を読み込んで、影付きの背景動画を作成することができます。
なお、影の濃度、拡散度を調整することで、よりリアルに見えます。
(3)投影用動画として書き出す
- 動画編集ソフトで、モデルの動画と背景動画を合わせて一つの動画にまとめたもの書き出します。ここまでの一連の流れを下記動画にまとめていますのでご参照ください。
※アルファチャンネル付加により、より簡単に編集出来ますので、このブロマガではアルファチャンネル付加での説明をしています。
■ダンボール箱ビジョン いよいよ再生!
液晶モニタをダンボール箱ビジョンの上面にかぶせ、映像編で作成した動画を「全画面再生」させます。すると、奥の透明下敷きに反射した背景動画の手前に、手前の透明下敷きに反射した前面動画が再生され、あたかも立体的な視覚効果を得ることができます。
しかも、ミクさん全体が光っているので、液晶モニタで見るのと、また違った印象となります。
こればっかりは、実際にダンボール箱ビジョンを「目で」見ていただくしか無いと思います。
ビデオで撮影すると、その魅力の1/10も伝えられない気がします。
投影してみたものをご紹介します。本当は実際に目で見るのが一番です。
なお、ダンボール箱ビジョン投影用の映像は、左半分に、前面動画を左右反転させて90度右回転させたものを配置し、右半分に、背景動画を左右反転させて90度右回転させたものを配置するという原則さえ守れば、それを「全画面で再生」するわけですから、どのような大きさの液晶モニタでも汎用的に流用することができます。
ぜひ、ダンボール箱ビジョンを試していただき、投影用の動画をたくさん作って公開して下さい。コンテンツに比例して楽しさも増していきます。
<追記>
作り方、および動画編集の方法が『Windows100%』(晋遊舎)に掲載されました。